INFOBAR買いましたよ。
発表時は無視どころか「けっ!単なるスキンとランチャーでAndroidをカスタマイズしたって、UIに一貫性が無くなって使いづらくなるだけだわ!OSがアップデートされたらどう対応するんだよ!」と心の中で全力でdisっていたんですけどもね。
発売後にauショップに立ち寄って、実機に触った瞬間、自分が大きく間違っていた/大事なことを見落としていたのに気づいた次第です。馬鹿にしていてごめんなさい。僕が間違っていました。
店頭で触ってからというもの、ずっとINFOBARが頭から離れなくなって、数日後に我慢できずに購入したのですが、それからというもの、iPhoneの稼働率が激減しました。これまで、AndroidではNexus One・Galaxy Tab・Nexus S・Evoといくつかの端末を購入して使ってきたのですが、どれ一つとしてiPhoneの代わりになれそうなものが無かったことを考えると、これは僕の中では革命的で画期的なことです。
今や、僕の中ではiPhoneよりもINFOBARの方が可愛いくらいですからね。少し前までは想像すらできなかったことが起きています。
で、そのINFOBARの何がそこまで僕の心をつかんでいるかについて考えてみると、実はそこにはAndroidの未来がある気がしたので、ここでブログにまとめておきたいと思いました。
INFORBARの何が、ここまで僕に刺さったか。一つ一つ挙げてみましょう。
1)フォントが美しい
なんと、INFOBARではUIにモリサワフォント(モリサワUD新ゴM)が採用されているのですね。これがまず決定的に違う。まさに大英断だと思います。
※以前アップした画像が、テキストの流し込みがうまくいかなかったのか「カーニングが美しくない」というご指摘を頂いたので、改めてちゃんとキャプチャを取り直しました。
僕は、Macが一番革命的だったのは「UIにヒラギノを採用したこと」だと思っているのですが、たかがフォント、されどフォントというのは、MacとWindowsを比べてみれば一目瞭然です。明らかにMacの方が「使う気にさせる」オーラをまとっていて、そのかなりの部分をあの美しいフォントが担っていると言っても過言ではないでしょう。
一般的なAndroid端末もまさにWindows的でして、これまではDroid Sansなどのフォントでお茶を濁すにとどまっており、美しさなんてこれっぽっちも考えていないことが明らかでした。僕はそこで仕方なく自力でRootを取ってフォントを入れ替えたりしていたのですが、やはり、フォントほど端末を使うモチベーションを左右するものはありませんね。とにかく、このモリサワフォント、皆さんも店頭で確かめてみて頂きたいと思います。ホントに、他のAndroid系端末とは一線を画しますよ。
2)ホーム画面
これはもう、INFOBARで最も注目されているところですので、皆さんがご存じでしょう。Androidでよくぞここまでいじったな、というくらいにオリジナルなものになっています。
しかし、このホーム画面の最大の特徴はそのデザインではなくて、構造にあると思っています。iPhoneやAndroidのUIは、基本的に「いくつかの画面に分かれている」のが通常で、その画面をフリックで左右に移動しながら、目当てのアプリのアイコンを探したりするわけですね。しかし、INFOBARでは、それを「縦に超長い、巨大な一画面」にまとめてしまうという手法を採用しています。
iPhoneや通常のAndroidでは、画面ごとに「頻繁に使うもの」「仕事用」「ゲーム」など分類してアイコンを置くわけですが、これはいわば擬似的に「階層構造」を作っていると言えるでしょう。その階層を横に移動してアプリを起動したり切り替えたりするわけですね。
しかし、INFOBARではそういう階層を無くしてしまいました。多分このUIのヒントはWindows Phone 7だったのではないかと思うのですが、INFOBARでは画面単位に分解してしまうのではなく、大きな画面に適当な区切りなどを入れながら、全てをそこにまとめてしまうという方法をとりました。これはまさに、AndroidのUIの考え方を根本から変えてしまうことです。
これが使いやすいと考えるか使いづらいと考えるかは人それぞれなのでしょうが、僕の感覚では「画面に閉じ込められずにのびのびと自由に使える」という気持ちよさにつながっていると感じます。iPhoneのように箱庭的に作り込まれたUIも快適ですが、開放的でのびのびしている空間も、それはそれで気持ちのよいものです。
3)細部に気を配っている
実は僕がフォントの次に感動したのがこれです。まさに神は細部に宿る。
INFOBARでは、上部の通知バーをプルダウンすると、各種お知らせの下にバッテリーや電波強度などのステータスが表示され(タップすると設定に飛びます)、さらにその下にはマナーモードや画面自動回転の設定、microSDの設定や起動中のアプリの管理などのボタンまで用意されているのです。
これは本当に便利。普通のAndroidですと、こういう設定はホームからメニューボタンを押し、設定アイコンをタップして目的の項目を探して、とやらなければならないところなのですが、これが全てプルダウンからワンタップでアクセスできてしまう。
AndroidのUIの不便なところを見事に解決してくれているのですね。これによって、端末の管理が非常に楽になりました。これも快適さの向上に大きく寄与している点ですね。
さらに、標準搭載されているアプリにもかなり秀逸なものが揃っています。例えば「Task Cleaner」。Android端末はマルチタスクを実現しているため、いろいろなアプリを利用するとメモリが圧迫されてパフォーマンスが落ちてしまいます。それを防ぐには、起動しているアプリを定期的に終了していくという作業が必要なのですが、それを行う「タスクマネージャー」系のアプリは、どれも使い勝手が今ひとつなのですね。そこにきて、このTask Cleanerは相当にできがよいです。スリープする際に自動的に起動しているアプリを終了してくれたり、Backボタンで終了させたりと、きめ細かい設定でこまめにアプリを終了して、フリーメモリを確保できるようになるのです。このおかげで、僕のINFOBARは常時サクサクの状態を維持できるようになりました。これがどれほどストレスを軽減しているか。想像以上に効果は大きいのです。スマートフォンになれていないユーザーにとっても、非常に重要な気配りと言えるでしょう。
4)端末が小さい
これは実際に買って、日々持ち運んで初めて分かったことなのですが、端末が小さいというのは、実は様々なメリットがあるのですね。最近のスマートフォンは基本的に巨大化する傾向があって、もちろんそれには画面が広くなるメリットもあるのですが、それと引き替えに不便なことも増えていたのですね。例えば端末が重くなること。あるいは、片手で操作しづらくなること。こういうデメリットについては僕自身もあまり意識的でなくて、むしろ「画面が大きい方が表示される情報の一覧性が上がって便利になる」と歓迎していました。しかし、小さい端末には小さいなりの魅力がたくさんあることに気づかされた次第です。日々持ち運ぶわけですから、ちょっとした大きさの違い、重さの違いは自分で思う以上に「じわじわ」効いてきます。このINFOBARのサイズは、まさに日本人の手の大きさを考えて設定されたのではないかと思えます。
さらに言うと、その小さな端末が隅々までしっかりデザインされて、きっちり作り込まれているわけですから、単に小さいだけでなく「凝縮感」も非常に高いわけです。この凝縮感は、ガジェット好きにはもちろんのこと、普通のエンドユーザーにとっても「よいものを買った感」の演出にもつながっているのではないでしょうか。
ということで、僕の感じたINFOBARの魅力について、いくつかご説明しました。
こうして改めて考えてみると、実は、iPhoneとAndroidの差は、もう殆ど無いのではないかという気にさせられます。
僕にとって、iPhoneの最大の強みとは、そのUIの美しさや洗練さ、そして作り込みにあると思っています。徹底して気持ちよく使えるようにデザインされた凄みこそが、iPhoneの最大の武器です。それは技術力というより、センスや経験、そして妥協しない作り込みが大事であって、それをAndroidがキャッチアップするのは相当に大変だろうなと考えていたわけですが、実は、徹底してこだわる環境と能力のあるデザイナーさえ揃えば、かなりのところまでiPhoneに対抗できてしまうことが証明されたのではないかと思うのです。
言ってしまえば、所詮INFOBARのUIなんて「スキン」に過ぎません。それでも、デザイナーがきちんと考えて良い仕事をすれば、これだけのものが作れてしまう。
iPhoneのクオリティに比べれば、Androidなんてまだまだだよね!と言っていたのですが、その認識は、そろそろ改めるべき時が来たのかもしれません。そして、これからのAndroid端末の可能性を思うと、本当にワクワクしてきます。
INFOBARは、僕にそんなAndroidの可能性を見させてくれました。INFOBARかわいいよ。
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