まず基本
左のオレンジ色の円が僕。そして右がフォロワーさんたち。この図では、僕がツイートすると、一次的に4名のフォロワーさんがそれを見てくれています。これが僕らが普通に考えているツイッターの基本構造ですね。公式アカウントで20万フォロワーを誇る人だと、この右側の円が20万以上あります。すごいなあ。
そして、僕らはこの右側の丸を増やさなければ声は届かない!と考えて、一生懸命フォロワーを増やそうとして頑張るわけですね。
ちょっと深く考える
皆さんもよくおわかりの通り、ツイッターはフォロー関係が入り組んでいます。もちろん、僕をフォローしている人たちにもまたフォロワーがいます。なので、ここで二次的な繋がりまで考えてみます。
この図が有効なのは、例えば僕のツイートをフォロワーAさんがRTしてくれた場合。Aんにもさらに4名のフォロワーさんがいるので、僕の一つのツイートを、Aさんが4倍に増幅して再送信くれました。
つまり、RTしてもらうと、RTをしてくれた人のフォロワーの数だけ掛け算がかかることになります。
例えば、僕が10名からフォローされていて、その10人にはそれぞれ100名のフォロワーがいたとすると、10名全員がRTしてくれれば実質的には1,000人の人たちにリーチできることになります。すごいですね。10人からしかフォローされてないのに、一発で1,000人にもリーチできる可能性が出てきます。
僕(10フォロワー)× フォロワーさん(100フォロワー) = 1,000ユーザー
さらに深く考える
さて、口コミ効果という側面から考えると、ツイッターにはもう一つの面白い側面があります。
それは「ユーザーとの会話を見られている」可能性があるということです。
例えば、僕とフォロワーAさんがツイッター上で「昨日は豚組でお世話になりました。美味しかったです」『こちらこそありがとうございました。お会いできて良かったです』「豚肉がこんなに美味しいとは思いませんでした!チャーシューもサービスして頂いて嬉しかった!」『またお待ちしてます!』というやりとりをしたとすると、その会話を見ているユーザーがいるのだ、ということです。こういう会話を見たユーザーは、単なる宣伝文句を見るのと違って、かなりの興味を持ってくれるのではないでしょうか。これも口コミを考える上では大切なこと。
RTの威力を考える
とはいえ、ツイッターでやはり最もインパクトがあるのは「RT」です。RTの威力は、経験したことのある方なら誰でもよく知っているでしょう。一旦RTの伝播が始まると、とにかく延々とRTされ続けていき、本人の全く知らない遙か彼方のユーザーまでメッセージが伝えられていくことも少なくありません。また、そのRTが波及していく中では、ひとりのユーザーが何度も目にすることもあります。
以前、私が広告の仕事をしていたときに「消費者に覚えてもらうためには、TVCFは最低でも三回見てもらわないといけない」というセオリーを習ったことがありましたが、それどころではなく、ほんの数十分から一時間の間に、何度も何度も目にすることすらあります。
このRTをうまく使いこなすことできれば、期待以上の口コミ効果を生むことも可能です。
RTの「波」の構造
図は、「僕」のツイートがどんどんRTされていく様子を図示したものです。本当はもっと複雑なフォロー関係があるのですが、ここでは便宜的に(これでも)簡潔にしてあります。
ここで注目して頂きたいのは、赤の「4」と記されたユーザー。なんと、RTの第四波まで目にしています。これだけRTを目にしたら、もうこの人はじっとしていられません。おそらく、「僕」のアカウントを開き、場合によってはフォローもしてくれるかもしれません。
RTが活発に行われる感覚は、池に小石を投げ込んだときの波紋の広がりに似ている気がします。波が広がり、それが跳ね返り、交差して、そしてさらに広がっていく様子。
口コミ増幅装置としてのツイッター
このように、ツイッターは時に、かつてないほど強力な「口コミ増幅装置」となることがあります。ただし、それは「RTする価値がある」情報だけ。ツイッターはユーザーが「有益な情報」と「ゴミ情報」をフィルタリングする側面がありますから、その中で「ゴミ情報」と認定されるようなツイートしかできなければ、口コミ効果なんて全く期待できません。
ユーザーは「この情報はみんなとシェアすべき」とか「このつぶやきは面白いからみんなにも見せたい」というサービス精神でRTをすることがほとんどです。ですから、そうやって取り上げられてもらえるような情報を発信するように工夫していきましょう。まあそれが一番難しいわけで、それを狙ってできるようなら誰も苦労はしないのですが。
口コミ情報と飲食店は相性が良い
ちなみに、飲食店と口コミが非常に相性が良いのは、今さら僕が言うまでもない世間の常識です。だって、親しい友人から「この店は美味しいから絶対行くべき!」とか言われたら、どんな雑誌やテレビで知るよりも行ってみたくなりませんか?本当に価値あるお店情報は、マスコミではなく口コミにある。これはもうずっと昔からの定説です。
つまり、口コミ増幅装置でもあるツイッターと飲食店は、実は非常に相性の良い組み合わせなのです。というわけで、僕らも口コミの構造を理解した上で、上手に使いこなしていきたいですね。
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